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パミール屋根材の塗装はNG!劣化の原因とメンテナンス方法
2024年06月11日(火)
1996年から2008年にかけて広く使用されたノンアスベスト屋根材「パミール」。
アスベストの使用が禁止されたことにより開発されたこの製品は、健康被害のリスクを避けるための代替品として期待されていました。
しかし、10年程で層状剥離やひび割れなどの劣化症状が顕著に現れることが判明しています。
本記事では、パミールの特徴、劣化症状の判別方法、そして劣化が進行した場合の対応策について詳しく解説します。
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パミールとは
パミールの屋根材は1996年~2008年の間にノンアスベストのカラーベストとして広く出回っていた商品です。(現在は製造を中止しています)
パミールが製造される前はアスベストを含んだ屋根材が使用されていましたが健康被害の危険性などの影響で法律によりアスベストの使用が禁止されるようになりました。
そこで新たに建材メーカーがノンアスベスト屋根材を製造・販売を行うようになりました。
しかしニチハのパミールという屋根材は10年程経つとひび割れや屋根材の表層がめくれて層状剥離を起こしてしまいます。
この現象はパミールだけではなく同じ時期に販売された他のノンアスベスト屋根材にも不具合が多数報告されるようになりました。
パミールの劣化症状と判別方法
自分の家の屋根がパミールかどうかを見分けるには劣化症状などに大きな特徴があります。
層状剥離
パミールの最も特徴的な症状が層状剥離といいミルフィーユ状に屋根材の先端がめくれてきたり浮き上がってくる症状です。
築10年程経過するとわかりやすく症状があらわれます。
屋根材の先端部分が白く見える
屋根材の先端部分が白く見えている状態は劣化が進行している状態です。
このような状態は層状剥離を起こす前段階の状態で屋根材が弱っている段階です。
築年数が浅い家や日当たりが良くない面は劣化の進行が通常より遅くなるので白い染みのような状態が見られます。
この状態も年数が経つにつれてミルフィーユ状になり層状剝離が起こります。
釘の腐食による屋根材のズレ・欠落
パミールの屋根に使用された専用釘にはメッキ処理が薄いものが混入していました。
このような釘は錆や腐食が発生しやすくその影響で屋根材がズレやすくなってしまいます。
最悪の場合、落下して人身事故や物損事故につながる危険性があります。
この件につきましては、2010年11月5日にメーカーのニチハから正式に発表されております。
https://www.nichiha.co.jp/news/20101105_01.pdf
パミール屋根への対応策
パミールの屋根は塗装を行っても意味がありません。
屋根材自体が層状に剥がれてしまっているので塗装を行っても耐久性や防水性が向上しません。
さらに、高圧洗浄で劣化が促進される可能性があります。
パミールの劣化が進行している場合の対応策として以下の方法が推奨されています。
カバー工法
既存の屋根材の上に、新しい屋根を重ねる工法になります。
この工法は、既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を設置します。
工事コストを抑えつつ、耐久性や断熱性、遮音性などの向上が期待できます。
カバー工法では主にガルバリウム鋼板などの軽量で耐久性の高く、さびにくい特性のある金属製の屋根材が推奨されます。
屋根全体の負荷を軽減しながら、長寿命の屋根にすることができます。
軽量であるため、既存の屋根に負担をかけずに施工ができるのも大きなメリットです。
デメリットは既存の屋根に新しく屋根を重ねるので屋根の重量が増加するため耐震性の確認が必要になります。
葺き替え
既存の屋根材を撤去してあたらしい屋根材を葺き替える工法です。
屋根材の下にある防水紙や野地板の補修を行うことができるので根本的な原因を解決することできます。
パミール屋根の劣化が著しくダメージを受け雨漏りが発生していた場合、防水紙や野地板への影響が懸念されます。
そのような場合に葺き替えはとても有効な工法で新しい屋根材の持つ耐久性を最大限に引き出し、長期的に安心して住み続けることができます。
デメリットは屋根材の撤去費用や処分などで費用が高額になってしまいます。
パミールかどうか確認する方法
ご自身の家の屋根材がパミールかどうか確認する方法は以下の方法があります。
建築会社に問い合わせる
新築時に購入された場合、建物を建てた会社へ問い合わせて屋根材がどんな材料を使用されたのか確認をしましょう。
設計図面を確認する
建物を購入した際に渡される設計図面に屋根材の仕様などを確認できます。
建物を建てた会社がなくなってしまった場合など設計図面があれば仕様の確認ができます。
専門業者に点検を依頼する
自分で屋根に登って確認することは大変危険な行為ですので塗装の専門業者へ点検を依頼して屋根材の確認をしてもらいましょう。
劣化を放置した場合のリスク
パミール屋根を長い期間放置してしまった場合は下記のリスクがあります。
雨漏り
層状剥離が進行して屋根材がめくれてしまうと防水性が低下し、屋根材の下にある防水紙や野地板にダメージが蓄積され雨漏りが発生する可能性が高くなります。
この場合カバー工法ではなく葺き替えでの対応が推奨されます。
屋根材の落下
釘の腐食や屋根材のズレが進行してしまうと屋根材の落下により人身事故や物損事故を引き起こす危険性があります。
資産価値の低下
劣化が進んでしまった屋根は、美観が損なわれてしまい住宅の資産価値を低下させます。
よくある質問 (Q&A)
Q1: パミールの屋根材が劣化する原因は何ですか?
A1: パミールの屋根材はノンアスベストで製造されており、10年程で層状剥離やひび割れが発生しやすくなります。特に専用釘のメッキ処理が薄いため、錆や腐食が進行しやすく、屋根材がズレたり欠落する原因となります。
Q2: パミールの屋根材が劣化しているかどうかを確認する方法は?
A2: パミールの劣化症状には特徴があります。層状剥離や屋根材の先端が白く見える場合は劣化が進行しているサインです。また、釘の腐食による屋根材のズレや欠落も見られます。確認が難しい場合は、専門業者に点検を依頼することをお勧めします。
Q3: パミールの劣化が進んだ場合、どのような対応策がありますか?
A3: 劣化が進んだ場合の対応策として、カバー工法と葺き替えがあります。カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる方法で、コストを抑えつつ耐久性を向上させます。葺き替えは既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に替える方法で、根本的な修理が可能です。
まとめ
パミールは1996年から2008年にかけて製造されたノンアスベストの屋根材で、健康被害のリスクを避けるために開発されました。
しかし、10年程で層状剥離やひび割れといった劣化が顕著に現れることが判明しています。
劣化が進行した場合、カバー工法や葺き替えといった対応策が推奨されます。
自身の家の屋根がパミールかどうかを確認し、劣化が進んでいる場合は早急に適切な対策を講じることが重要です。
専門業者に相談することで、安全で効果的な解決策を見つけることができます。
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